
太陽光発電システムのO&Mとは?
太陽光発電のO&Mとは、メンテナンス(運用および保守点検)のことで、
Operation & Maintenanceの略です。
2017年4月1日からはじまった「改正FIT法」により、
太陽光発電設備のメンテナンスが義務化されました。
改正FIT法では
「適切に点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」、
「定期的に費用、発電量等を報告すること」が求められています。
運転管理業務(Operation)のおもな内容
運転管理業務は、太陽光発電設備での発電量=売電量を、
最大化(=発電の損失を最小化)するために行う業務です。
太陽発電システム(太陽光パネルやパワーコンディショナなどの設備)が適切に運転できるよう「発電量監視」と「障害時の復旧対応」をします。
発電量監視
弊社では専用のサイトを使って太陽光発電設備の発電量を24時間監視できるようになっています。
監視システム
発電量の監視システムの主な機能は「発電量の表示」「発電量の記録・保存」「異常発生監視」の3つです。「発電量の表示」は、電流値を測定するタイプとパワーコンディショナ(PCS)や接続箱から情報を取得するタイプがあります。
※電流値を測定するタイプはパワーコンディショナの故障などの不具合はわかりません。
「発電量の記録・保存」
「発電量の記録・保存」は、過去の発電量の客観的な情報として、発電所の売却時や保険で修理する場合に利用できます。
「異常発生監視」
「異常発生監視」は、
発電量の低下やパワーコンディショナの故障など発電所に異常が発生した際にメールで通知してくれる機能です。
※電流値を測定するタイプは発電量が設定値より
低下した場合に通知するだけで、パワーコンディショナ等設備の故障はわかりません。
※パワーコンディショナはソーラーパネルにより得られた直流電流を交流電流に変換する設備です。
有人監視
発電量の遠隔監視方法は、設備やO&M業者によって有人での監視や計測機器設置のみなど体制に違いがあります。「異常発生監視」電流値を測定するタイプでは発電量が下がった原因が「天候が悪い」のか「発電設備の故障」の区別はつきません。パワーコンディショナの情報を取得するタイプでも故障かどうかはわかりますが、ブレーカーが落ちた場合は故障と区別がつきません。また、太陽光発電設備が落雷や台風などで監視装置そのものが壊れる可能性もあるので有人での監視体制があるとより安心です。
障害時の復旧対応
遠隔監視システムなどによって、発電所でパワーコンディショナの故障や落雷、積雪など災害などの異常を検知した際に発電所に駆けつけて復旧する作業が必要となります。障害時の復旧対応は、緊急の対応が必要となりますので、対応可能エリアが近くにあるO&M業者が安心です。
≪保守点検業務(Maintenance)
の主な内容≫
太陽光発電設備が、
正常に運転できる状態を保つための業務です。
さまざまなリスクを未然に防ぐために行い、
【保守点検】と【発電設備維持】を目的としています。
≪保守点検≫
太陽光発電設備の安全性を保つために、
定期的な発電設備の点検を行なうことが重要です。
保守点検の内容は、機器の腐食や損傷、
摩耗を発見することが目的となっています。
保守点検についての詳しい内容は、日本電機工業会(JEMA)と太陽光発電協会(JPEA)が共同で作成した「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(JM16Z001)」を参照ください。
≪サイト管理(敷地・用地)≫
サイト管理(用地・敷地管理)とは、
太陽光発電設備が設置してある用地全体の管理です。
太陽光発電設備は、効率よく発電するための
メンテナンスが重要です。
太陽光パネルの洗浄や除草作業は、設備を壊してしまう恐れや感電の危険性があるので、O&M業者に任せるのが安全です。
≪太陽光パネル洗浄≫
太陽光パネルに付着した汚れは
発電量を低下させるだけでなく、
場合によってはホットスポット現象となり、
パネル故障の原因になります。
パネル洗浄は、発電効率のUPでの収益確保や、
長期的な維持管理の意味でも重要な作業となります。
太陽光パネルのガラス面に
キズを付けないよう清掃・洗浄の手順は、
メーカーにより定められています。
不適切な方法で作業を行なうとメーカー保証が
受けられない場合があります。
≪除草≫
太陽光パネルに雑草などのが影をつくると、
影が電気抵抗となり発熱します。
その状態が続くと「ホットスポット現象」
※となりパネル故障の原因となります。
また、雑草の影で発電量が落ちる、メンテナンス通路の確保、景観・美観の回復など除草対策は大切です。
※雑草が原因のホットスポット現象は、ほとんどのパネルメーカーは製品保証の対象外となります。